RCCMの記述論文対策では、知識を増やすことと同じくらい、
「自分の答案のどこが弱いのかを判定できること」
が重要だと考えています。
しかし、これが意外と難しい。
文章を何度読み返しても、自分ではそれなりに筋が通っているように見えます。
専門用語も入っている。 字数も埋まっている。 問われたテーマについても書いている。
それでも第三者に見てもらうと、
「設問への答えになっていない」 「原因と対策のつながりが弱い」 「実務経験が見えてこない」
といった問題が出てきます。
私は建設コンサルタントとして15年以上、橋梁300橋以上、河川200km以上の維持管理業務に携わってきました。
普段の仕事では、点検調書やExcel帳票などについて、
「この項目は何を意味しているのか」 「どの情報とどの情報が対応しているのか」 「別の帳票にも再利用できるルールはどこか」
といった構造整理をよく行います。
そこでRCCMの論文についても、
添削で受ける個別の指摘を、その答案限りで終わらせず、再利用できる評価ルールとして整理できないか
と考えました。
今回は、論文添削のフィードバックをデータベース設計のように分解してみた話です。
個別の添削だけでは、次の答案にそのまま使えない
論文を添削してもらうと、当然ながらその答案について具体的な指摘が返ってきます。
例えば、
- この説明が不足している
- この文章は分かりにくい
- この対策の理由が弱い
- 技術的な説明が足りない
といったものです。
その答案を修正するだけなら、これで十分です。
しかしRCCM試験で本当に必要なのは、
別の問題が出ても同じ失敗を繰り返さないこと
です。
本番で、添削済みの答案とまったく同じ問題が出るわけではありません。
そのため、
「ここを直してください」
という個別指摘から、もう一段抽象化して、
なぜそこが問題なのか
を取り出す必要があります。
普段の帳票整理でいえば、セルに書かれている文字を保存するのではなく、そのセルが持っている「意味」を定義する作業に近いものです。
添削内容を3つの役割に分けた
自分なりに整理すると、RCCM論文の添削で見る項目は、大きく3種類に分けると扱いやすいと考えました。
1.評価軸
最初は、
そもそも何について評価するのか
という軸です。
例えば、
- 設問の題意に答えているか
- 論理の流れが通っているか
- 原因と対策に因果関係があるか
- 技術者本人の判断や役割が見えるか
- 技術的な説明に妥当性があるか
といったものです。
文章を一文ずつ直す前に、
この答案の弱点はどの評価軸にあるのか
を切り分けます。
例えば専門用語が少ない答案でも、問題が「専門知識不足」とは限りません。
そもそも設問で聞かれていることに答えていないなら、先に直すべきなのは題意への適合です。
ここを分けないと、
「もっとキーワードを入れよう」 「もっと技術用語を覚えよう」
という方向に対策が偏りやすくなります。
2.論文の構造パターン
次に見るのが、
文章のどことどこの接続が弱いのか
です。
RCCMの記述では、例えば、
課題
↓
原因
↓
対応策
↓
効果・結果
という流れを書く場面があります。
ところが実際の答案では、
課題を書いた直後に、いきなり対策へ飛んでいる。
対策を書いたものの、なぜその対策が必要なのか説明されていない。
技術的な課題を挙げたのに、最後は一般論だけで終わっている。
といったことが起こります。
これは個別の専門テーマとは別の問題です。
鋼構造でもコンクリートでも、維持管理でも施工でも、
論理の接続関係そのものには共通する部分があります。
そこで、
「文章がおかしい」
ではなく、
「原因→対策の接続が抜けている」
というように構造として記録します。
こうすると別の問題にも再利用できます。
3.専門知識
当然ながらRCCMでは、専門技術に関する知識も必要です。
私が保有しているのは、RCCMの「鋼構造及びコンクリート」部門です。
この分野であれば、
- 劣化機構
- 点検・調査
- 診断
- 補修・補強
- 耐久性
- 維持管理
など、実務内容を含めて確認できます。
ただし、専門知識についても単純に、
「知識が多いほど良い」
とは考えていません。
重要なのは、
その知識が設問に答えるために使われているか
です。
塩害、中性化、ASR、疲労、腐食といった言葉をいくつ並べても、問われていることとの関係が説明されていなければ、論文としては弱くなります。
専門知識は必要ですが、論文の中ではあくまで「回答を成立させる材料」です。
DB化するなら、指摘された文章そのものを保存しない
この整理を、仮にデータベースの項目として考えるなら、例えば次のようになります。
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 対象箇所 | 答案のどこで問題が出たか |
| 評価軸 | 題意・論理・因果・専門性など |
| 構造上の問題 | どの接続が弱いか |
| 専門論点 | その答案固有の技術内容 |
| 再利用性 | 他の設問にも使えるか |
| 次回確認事項 | 次の答案で何をチェックするか |
ここで重要なのは、
添削者のコメントをそのまま蓄積することではありません。
例えば、
「この対策の説明が弱い」
という指摘だけを残しても、その答案でしか使えません。
しかし、
「課題に対して、対策を採用する根拠が説明されていない」
と整理すれば、別の設問でも自分でチェックできます。
このように、
個別指摘 → 再利用可能な判断ルール
へ変換できる部分は、DB設計の考え方とかなり相性が良いと感じました。
ところが「実務の具体性」はDB化できなかった
一方、どうしてもきれいにルール化できない部分もありました。
それが、
実務経験の具体性
です。
ここが、今回整理してみて一番重要だったところです。
例えば答案に、
「関係者と調整した」
と書いてあったとします。
一般論としてなら、
- 誰と調整したのか
- 何が問題だったのか
- どんな制約があったのか
- 自分はどう判断したのか
- 何を調整したのか
まで書けば具体性が増す、とルール化できます。
しかし、実際に何を書くべきかは、その人が経験した仕事によって変わります。
橋梁補修で交通規制が問題だった人。
河川業務で出水期との工程調整が重要だった人。
施工条件から当初工法を変更した人。
発注者や関係機関との協議に苦労した人。
同じ「調整」でも、中身はまったく違います。
ここはテンプレートだけでは埋まりません。
「自分ならこう書く」が危険になる理由
この部分をルール化しようとすると、
添削者側の経験を受験者へ当てはめる誘惑が出てきます。
「自分はこう書いて受かった」 「この形で書けばいい」 「このキーワードを入れればいい」
という方法です。
もちろん参考になる場合もあります。
しかし、添削者が経験した業務と、受験者本人が経験した業務は違います。
私は橋梁300橋以上、河川200km以上の維持管理業務に携わってきましたが、だからといって、別の技術者が経験した現場を私の経験に置き換えてよいわけではありません。
添削で必要なのは、
相手の実務経験の中にある材料を拾い、その人の答案として成立させること
だと思っています。
ここはデータベース化できません。
そして逆に言えば、ここが人間による添削の価値が残る部分でもあります。
再利用できる「型」と、本人にしかない「経験」を分ける
今回の整理で分かったのは、RCCM論文には大きく二つの要素があるということです。
一つは、再利用できる部分。
- 題意に答える
- 論理の順序を整える
- 原因と対策をつなぐ
- 自分の役割を明確にする
- 技術的な根拠を示す
こうしたものは、評価軸として整理できます。
もう一つは、再利用できない部分。
- その現場で何が起きたのか
- 何に悩んだのか
- どんな制約があったのか
- 自分が何を判断したのか
- どんな工夫をしたのか
これは本人の実務経験そのものです。
つまり論文対策では、
共通する構造は型として利用し、内容は本人の経験から作る
という切り分けが重要になります。
RCCM論文添削は「答案を作ってもらうこと」ではない
私は、添削を代筆と同じものにはしたくありません。
本人が経験していないことを加えたり、添削者の実務経験に置き換えたりすれば、文章だけは整うかもしれません。
しかし、それは本人の論文ではなくなります。
添削でできるのは、
本人が持っている材料について、
- 設問に答えているか
- 順序は分かりやすいか
- 因果関係が通っているか
- 技術者としての判断が見えるか
を確認し、整理することです。
今回、添削の評価をDBのように構造化してみた結果、
構造化できる部分より、最後まで構造化できなかった部分の方が、むしろ添削の本質を示している
ように感じました。
RCCM論文を見てもらえる相手がいない方へ
RCCMを受験する技術者の中には、
社内に論文を見てもらえる先輩がいない。
見てもらえる人はいても、何度も頼むのは気を遣う。
あるいは、添削を受けても「自分はこうやって合格した」という方法を強く押し付けられ、自分の経験を書きにくくなった。
という方もいると思います。
私はココナラで、RCCM・一級土木施工管理技士の記述論文添削サービスを出品しています。
基本的には、
題意適合 → 論理構成 → 因果関係
という順序で論文の構造を確認します。
その上で、こちらの合格体験を答案へ当てはめるのではなく、受験者本人の実務経験をどう論文として見せるかを一緒に整理します。
私は建設コンサルタント実務15年以上、橋梁300橋以上・河川200km以上の維持管理業務に携わり、RCCM(鋼構造及びコンクリート)、道路橋点検士、一級土木施工管理技士を保有しています。
対応範囲
- 代筆は行いません。添削と改善に向けた助言を行います
- RCCM「鋼構造及びコンクリート」は、専門的な実務内容を含めて対応します
- RCCMの他部門は、題意適合・論理構成・因果関係など論文構造を中心に対応します
- 一級土木施工管理技士は経験記述の添削に対応します
一人で答案を何度読み返しても、「何が悪いのか」そのものが分からないことがあります。
業務の合間に試験対策を進めるなら、その判断に使う時間を短縮する方法として、第三者に一度見てもらうという選択肢もあります。
※まずは論文1本・添削1回のライトプランから利用できます。
