RCCM論文で最初に見るべきは専門知識の量ではない

RCCM試験

RCCMの記述論文対策をしていると、

「もっと専門知識を覚えなければならない」 「キーワードが足りない」 「技術用語をもっと入れた方がいい」

という方向に意識が向きやすくなります。

私自身も、以前は論文試験というものを、

知っている専門知識を、限られた字数の中でどれだけ正確に出せるか

という試験に近いものとして考えていました。

もちろん、RCCMで専門知識が不要という話ではありません。

私が保有している「鋼構造及びコンクリート」部門であれば、劣化機構、点検、診断、補修・補強、耐久性、維持管理などの知識は当然必要です。

しかし、論文を評価する順序を考えると、専門知識より先に確認すべきものがあります。

それが、

「そもそも設問に答えているか」

です。

この記事では、私自身が論文添削を受けた経験や、建設コンサルタントとして実務文書を作ってきた経験から、RCCM論文を見るときに、

題意適合 → 論理構成 → 因果関係

という順序を重視するようになった理由を書きます。

なお、これはRCCMの公式な採点基準や採点順序が公開されている、という意味ではありません。

私自身が論文を作成・確認するときの、実務的な優先順位として整理したものです。

知識を増やせば論文も良くなる、と思っていた

資格試験の勉強では、どうしても知識量が目に見えやすい指標になります。

覚えた用語が増えた。

説明できる技術が増えた。

劣化機構を整理した。

補修工法を覚えた。

こうした勉強は進捗を感じやすいです。

一方、

「この答案は設問に正面から答えているか」

という確認は、かなり曖昧です。

自分で書いた文章なので、自分では答えているように見えてしまいます。

そのため、独学ではつい、

内容が弱いのは専門知識が足りないからだ

と考えがちです。

私もそうでした。

しかし、以前、SUKIYAKI塾の有料講座で技術士論文の添削を受けた際、自分の答案を見る視点が大きく変わりました。

ここでは講座資料や実際の添削文面を紹介することはしません。

私自身がそこで何に気づいたかだけを書くと、

専門知識を増やす以前に、「聞かれたことに答える」という基本が想像以上に重い

ということでした。

これは技術士だけの特殊な話ではなく、RCCMの記述論文を考える上でも非常に重要な視点だと思っています。

第一段階は「題意に答えているか」

例えば、ある設問で、

「維持管理上の課題と、その対応について述べよ」

と問われたとします。

ここで受験者が、

  • 最近の維持管理を取り巻く社会情勢
  • 技術者不足
  • DX
  • 予防保全
  • 新技術
  • データベース化

について幅広く書いたとします。

どれも間違った知識ではありません。

むしろ、内容だけを見れば立派に見えるかもしれません。

しかし、設問が求めているのが、

課題と、その課題に対する対応

であれば、

何が課題なのか。

なぜそれが課題なのか。

その課題に対して何をするのか。

という関係が明確でなければなりません。

知識が多くても、この中心線が外れていれば、答案全体がぼやけます。

逆に、専門用語を必要以上に詰め込んでいなくても、

「問われたことに対して、必要な内容を順序立てて答えている」

文章の方が読みやすくなります。

私はまずここを見るようにしています。

次に見るのが「論理構成」

題意に答えていたら、次は文章の組み立てです。

例えば、

  1. 課題
  2. 原因
  3. 対応策
  4. 対応によって期待される効果

という流れで書いているとします。

各項目が単独では正しくても、順序や接続が悪ければ、読んでいる側には伝わりにくくなります。

よくあるのが、

原因を書かずに、すぐ対策を書く

という形です。

例えば、

「橋梁の長寿命化が課題である。したがって予防保全を実施する。」

という文章だけでは、

なぜその橋梁で長寿命化が課題なのか。

なぜ予防保全が必要なのか。

何を根拠にその対応を選んだのか。

が見えてきません。

本人の頭の中ではつながっていても、文章上では一段抜けています。

そこで、

書き手の頭の中にある論理が、文章にも出ているか

を確認します。

これは専門知識とは別の問題です。

そして「因果関係」を見る

論理構成と似ていますが、もう一段細かく見るのが因果関係です。

RCCM論文では、

「課題Aがあります」 「対策Bを行います」

という二つの文章が並んでいても、

なぜAに対してBなのか

が説明されていなければ、技術的な判断が見えません。

ここで重要なのが、

単に知っている対策を並べないことです。

例えばコンクリート構造物の劣化を考える場合でも、

ひび割れがあるから、すぐに塩害。

鉄筋腐食があるから、すぐ断面修復。

というように決めつければよいわけではありません。

実務では、

  • 構造物の供用環境
  • 劣化の位置
  • ひび割れの状況
  • 鉄筋腐食の有無
  • 中性化の進行
  • 塩化物イオンの影響
  • 水分供給
  • 施工条件

など、複数の情報から原因を考えます。

そして原因の見立てによって、調査方法も対策も変わります。

論文でも同じです。

「塩害です」とすぐ決めない

私自身、鋼構造・コンクリート分野の論文を考える中で強く意識するようになったのが、

原因を早い段階で一つに決めつけない

ことです。

例えば、コンクリート構造物にひび割れや鉄筋腐食が見られたとします。

そこで、

「これは塩害である」

と即断してしまえば、その後の文章は非常に書きやすくなります。

塩害なら、

塩化物イオンを調査して、 腐食状況を確認して、 断面修復をして、 必要に応じて表面保護をする。

という流れを作れます。

しかし、実際には与えられた条件だけでは、塩害と断定できないかもしれません。

中性化の影響かもしれない。

水掛かりや漏水が関係しているかもしれない。

複数の要因が重なっているかもしれない。

重要なのは、劣化原因の名前を早く当てることではなく、

与えられた情報から、どの可能性を考え、何を確認して原因を絞り込むのか

です。

私自身、論文添削を受けた経験からも、単に技術用語を並べるより、

「なぜそう判断するのか」

が文章に出ていることの重要性を強く意識するようになりました。

これは技術書の用語集を暗記するだけでは身につきにくい部分です。

専門知識は「判断の材料」として使う

ここまで書くと、

「では専門知識は後回しでよいのか」

と思われるかもしれません。

もちろん違います。

専門知識がなければ、原因の候補も出せません。

調査方法も選べません。

対策も書けません。

重要なのは、

専門知識そのものを答案の目的にしないこと

です。

例えば、

塩害 中性化 ASR 疲労 予防保全 モニタリング ICT 非破壊検査

といったキーワードを覚える。

これは「材料を増やす」勉強です。

しかし、本番で必要なのは、

その材料の中から、

設問に答えるために必要なものを選び、因果関係の中へ配置すること

です。

知識量と論文の完成度は、単純な比例関係ではありません。

キーワードを増やしても、題意から外れれば意味がない

RCCM対策では、キーワード集や想定問題を使うことも多いと思います。

私自身、こうした整理を否定するつもりはありません。

限られた学習時間で専門知識を整理するには有効です。

ただし、

キーワードを覚えることと、論文を書くことは別の作業

です。

例えば「維持管理の高度化」というテーマを準備していたとしても、本番の設問が、

「技術者としてどのような課題を認識し、どのように対応するか」

と聞いているなら、

高度化に関する知識を大量に書くより、

自分が何を課題と捉え、

なぜその課題が発生し、

どの対応を選び、

その対応にどんな技術的根拠があるのか、

を書く必要があります。

覚えた知識を全部出そうとすると、むしろ設問から離れることがあります。

だから私は、論文を見るとき、

知識が足りないか

より先に、

聞かれたことに答えているか

を確認します。

独学で難しいのは「自己判定」

この考え方自体は、理解してしまえばそれほど複雑ではありません。

難しいのは、

自分の答案について、自分で判定すること

です。

本人は設問を読んでから答案を書いています。

当然、

「私はこの質問に答えている」

という認識があります。

だからこそ、自分の答案が題意から少しズレていても気づきにくい。

原因と対策の間が飛んでいても、頭の中では補完されています。

「この程度は読めば分かるだろう」

と思ってしまいます。

しかし、答案を読む側には、書かれていないものは見えません。

ここが独学の難しいところだと思います。

専門知識なら、自分で調べられます。

知らない用語も分かります。

しかし、

自分の答案のどこが論理的に弱いのか

は、自分一人では判断しにくい。

だから第三者に見てもらう意味があります。

私がRCCM論文を見るときの優先順位

現在、私はRCCM論文を見る際、概ね次の順序で確認しています。

1.題意適合

設問で聞かれていることに答えているか。

まずここです。

2.論理構成

課題、原因、判断、対応、結果などが、読み手に追える順序で配置されているか。

3.因果関係

なぜその課題なのか。

なぜその対応なのか。

前後が技術的につながっているか。

4.専門知識

その判断を成立させるために、必要な技術知識が適切に使われているか。

この順序で見ると、

「もっと勉強してください」

だけで終わらず、

今の答案のどこを直せばよいのか

をかなり具体的に切り分けられます。

RCCM論文の「何がダメなのか」が分からない方へ

RCCM対策をしていると、

キーワードはかなり覚えた。

専門書も読んだ。

想定問題も書いた。

それでも、

自分の論文の何が良くて、何が悪いのか分からない

という段階に来ることがあります。

また、社内で見てもらっても、

「もっと勉強した方がいい」 「専門用語が足りない」

という話だけでは、具体的にどこを直せばよいのか分からないこともあります。

私はココナラで、RCCM・一級土木施工管理技士の記述論文添削サービスを出品しています。

添削では、精神論や暗記量から入るのではなく、

題意適合 → 論理構成 → 因果関係

という構造を中心に確認します。

そして、

「自分はこう書いて合格したから、この形で書いてください」

という方法ではなく、受験者本人の実務経験をどう論文として組み立てるかを一緒に考えます。

私は建設コンサルタント実務15年以上、橋梁300橋以上・河川200km以上の維持管理業務に携わり、RCCM(鋼構造及びコンクリート)、道路橋点検士、一級土木施工管理技士を保有しています。

対応範囲

  • 代筆は行いません。ご本人が書いた内容への添削・助言を行います
  • RCCM「鋼構造及びコンクリート」は、専門的な実務内容を含めて対応します
  • RCCMの他部門は、題意適合・論理構成・因果関係など論文構造を中心に対応します
  • 一級土木施工管理技士は経験記述の添削に対応します

業務が忙しい時期に、答案を何度も一人で読み返し続けるのはかなり時間を使います。

専門知識を増やす前に、まず「今の答案のどこが弱いのか」を一度切り分ける。

そのために第三者へ見てもらう、という使い方もできます。

RCCM・一級土木の論文添削サービスを見る(ココナラ)

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